あらまし 本研究では,誘電率の異なる2つの誘電体基板を積層し,各基板上におよそ同寸法のループ状素子を同心円状に配置した積層ループアンテナを提案する.本アンテナは,各アンテナ素子を基本モードと2次モードで動作させることにより,チルトビーム実現及びサイドローブ抑制を狙った構造となっている.なお,本アンテナの動作周波数は一例として12.5GHzとした.そして,本アンテナの放射特性を竜磁界シミュレータを用いて解析した結果,約30°方向にビームチルトしていることが確認でき,さらに4.7dBiの指向性利得,10dB以上のFront to Sideratioを得ていることが分かった.さらに,給電回路を含めた素子アンテナについて検討した結果,反射係数の-10dB帯域幅は550MHzであり,さらに給電回路による指向性への影響は小さいことから,本アンテナの実現性を解析的に示した.
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