フレネル回折に基づくX線位相イメージングによるエポキシ樹脂中電気トリーの観察

摘要

高分子絶縁材料はコンパクトである，環境調和性が良い，絶縁耐力が高いといった理由から電力機器において幅広く用いられている。このような高分子絶縁材料の寿命を決定付ける劣化要因として電気トリーイング現象が広く知られている。欠陥部より発生したトリーは，時間とともに進展していき最終的に絶縁破壊に至る。しかし，トリーの進展メカニズムは未だ不明な点が多く，これはトリーチャネルが直径μm～10μmオーダである，固体に密閉されている，三次元的な広がりを持つといった理由から，その構造や組成を正しく把握するのが難しいためであると考えられる。