紫外レーザによる超撥水性シリコーンの作製と水中での機能化

摘要

直径2.5 μm のシリカガラス製微小球をシリコーンゴム表面に単層で整列し，波長193 nm のArF エキシマレーザを照射すると，シリコーンゴム上に周期的な微細隆起構造が作製された。その試料表面に，膜厚50 および70 nm のAl薄膜を真空蒸着により形成すると，微細なテクスチャ構造を有するAl 薄膜となることがわかった。周期的な微細隆起構造が作製されたシリコーンゴム表面に，微細なテクスチャ構造を有するAl 薄膜を形成することにより，試料表面の水との接触角は，約165 度まで大きくなることが認められた。その結果，水中または3 wt％のNaCl 水溶液で，シリコーンゴム表面上に3〜15 V の電圧が印加できることがわかった。また，エアーギャップ中に閉じ込められたNaCl水溶液の液滴に15 V の電圧を印加すると，電気分解が起こり，水素ガスを発生させることも可能となった。