救助者の到達に要する時間を被災者の元へ迅速に伝達するために役立つワクチン認識フィルタとその基本方針のコンセプト

摘要

緊急時に発信する救助要請情報の混線及び埋没という課題についてハイパースケールで展開される通信ネットワークを構築する上で基礎となる人の認識に焦点を当て、視覚等の認識プロセスにおいて不可欠な役割を果たす反転作用という捉え方の逆転現象を応用し情報の送信元と応答先との双方向からの働きかけにより課題の克服を目指す解決策の必要性とその運用を支えるポリシーのコンセプトについて提案する。解決策を具体化するために必要となる仕組みの概要として、救助を求める情報発信元の意思に基づきモノトーン形式の特殊表記に変換され表示されるデータを他の一般的な文字及び画像のデータと同一の通信領域に送り込み表示形式上の落差を生成することにより所要時間情報通知先の目印としてデータを特定する。更に応答先の通信領域内で顕在化しているモノトーン意思変換データのみを対象として投与するピンホールワクチンという良性のコンピュータウイルスを意思変換データが自律的に取り込み感染状態となる過程を専用フィルタにより検出し所要時間情報の返送に合意する信号とみなし返信を実行するというプロセスを構築する。以上の仕組みを基点として情報発信元の意思や自律性を通信体系の錯綜状況解消のため情報処理システムに組み込む技術を開発することより、被災元へ救助がたどり着くまでの所要時間情報を生存可能性へと繋ぐことのできる情報伝送システムの実現を目指す。