回転機固定子鉄芯の製造過程による磁気特性劣化に関する検討

摘要

実機ステータ抜き板を用いた試料を製作し，主に溶接条件による磁気特性の劣化度合いについて比較検討を行つた.製造過程における溶接では，溶接箇所数の減少および溶接分割数の増加により鉄損を低減できることを明らかにした.また，鉄損分離結果より，溶接箇所数の減少および溶接分割数の増加に伴い，ヒステリシス損よりも渦電流損の方が，損失低減効果が大きいことが分かった.これらのことから，抜き板同士の結束が必要とされる強度を満たす範囲で，溶接箇所数および溶接分割数を適切に設定することによって，実機駆動時における鉄損を大幅に低減できる可能性がある.また，磁気特性に対する影響の少ない実用的な溶接方法開発への手掛かりとなり，モータのさらなる高効率化につながると考えられる.