鉄損を考慮したPMSM の広範囲駆動のための電流指令値決定法:電圧・電流制限を考慮した再帰形アルゴリズム

摘要

永久磁石同期モータ(PMSM)の利用対象の中には，電気自動車など，ゼロ速度から定格速度以上の広範囲な運転領域が必要なものがある。広範囲効率駆動には，電圧・電流などの制限を考慮したうえで，最小損失を達成する電流指令が要求される。特に突極PMSM(SP-PMSM)においては，固定子電流と発生トルクは非線形な関係にあり，同一の発生トルクをもたらす固定子電流は無数に存在する。実際的には，その中でトルク指令値に対応し最小損失をもたらす電流指令値を得る必要がある。しかし，これには，一般に，難解な非線形連立方程式の求解が必要とされる。