スマートアグリ実現に向けた植物工場での収穫日予測モデルの開発

摘要

日本の食料自給率問題の解決のため, 食料生産に関する新たなビジネスとして植物工場が注目を集めている[1]. 一方, 作物の生育には多くの知識と長期の農業経験が必要であり, 新規就農者の農業参入は難しい[2]. この問題に対して,農業の知識が乏しい人でも効率的に農作業が行えるようにする仕組みであるスマートアグリが注目されている.日本でのスマートアグリへの取り組みとして,収穫日予測がある. 収穫日予測により生産計画,出荷計画などの作業スケジュールが立てやすくなる. 現状の収穫日予測としては, 生育期間中の平均気温を用いた有効積算温度法[3]や, ノンパラメトリック回帰を用いて環境データと発育ステージの関係推定を行うDVR 法[4][5]が利用され有効性が報告されている. しかし, これらの方法での高精度な収穫日予測には長期間の過去データが必要になる. 日本の植物工場では品種改良により新たな品種の生育を次々に行っているため, 従来手法は適用できない.