太陽光発電の技術開発史

摘要

1954年に米国ベル研究所が，電源装置としての太陽電池を初めて開発した。その発表を受け，我が国でも企業を中心に太陽電池の開発が始まり，灯台や僻地の無線中継所の電源として設置された。その後，1970年代の二度の石油ショック，および1980年代後半からクローズアップされ始めた地球環境問題を背景に，太陽光発電は代替エネルギーならびに環境対策に寄与する新発電システムとして期待がかけられ，国の「サンシャイン計画」，「ニューサンシャイン計画」の下で，1970年代から2000年の四半世紀に渡り，産官学が一体となり，太陽電池や太陽光発電システムの低コスト化•高効率化ならびに電力系統への連系方式に関わる研究開発が進められた。これらの長年に渡る基盤技術の構築，ならびに1990年代からスタートした太陽光発電設置者に対する種々の助成制度により，2000年代中ごろまで太陽電池生産量，導入量ともに世界一を維持するなど，世界有数の太陽電池生産国，太陽光発電導入国に至った。