需要家に向けたエネルギーサービスにおける電力ビジネスのモデリングのための調查

摘要

本調査では，IEC 62325エネルギー市場通信の枠組みにおける一般指針ならびにエネルギー市場モデル例を中心に，ビジネス要求詳細のモデリング手法に関する整理を行なった。諸外国におけるIEC 62325の取り扱いについても，徐々に情報が整理されつつある。欧州送電系統運用者の協議会であるENTSO-E(European Network of Transmission System Operators for Electricity)では，電子情報交換(EDI: Electronic Data Interchange)による欧州国際電力取引の検討や，欧州型市場プロファイル(ESMP: European Style Market Profile)の検討など，積極的な活動を進めている。また米国では，連邦エネルギー規制委員会FERCが，2002年に標準市場設計(SMD: Standard Market Design)の構想を打ち立てたことから，米国電力研究所EPRIがそれに呼応する形でCIMの市場への拡張を検討した経緯もあり，その後FERCのSMDの適用は見送られたものの，ISO/RTO Councilにおける卸電力市場におけるDR通信へのCIM拡張や，OpenADRとCIMの融合の分野で，IEC62325は存在感を示している。さらにアジアでは，インドの電力会社を対象に，IEC 62325の適用可能ゆが検討されている事例もある。今後の展望の一つとしては，諸外国におけるIEC 62325の採用状況を確認することが挙げられよう。