マレーシアのコーヒーショップ（Kopitiam）における営業システムとその空間占有実態

摘要

マレーシアでは、他の東南アジア諸国と同様、都市の公共空間に飲食屋台が多く展開し、人々の生活の一部になっている。その中にコーヒーショップ(マレー語でkopitiam、以下kopitiam）と呼ばれる業態(fig.1,2,3)がある。kopiitiamは、独立して営業する屋台を集めた店舗で、主にドリンクサービスを店舗が、フードサービスを屋台が担っている。店舗オーナーは店舗内の一部を屋台に場所貸しし、屋台はそこで調理・販売を行うが、フードの売上が上がるほどドリンクの売上も上がるため、店舗オーナーと屋台主の間には柔軟な相互依存関係が生まれている。また出店する屋台が店舗の主たるサービスを行うことになるため、店舗は屋台の選定や営業管理にも気を配ることとなり、ただ場所を賃貸するのではない、特徴的な業態であると言える。