東日本大震災後の世帯構成の変化に関する調査研究:福島県内の２つの自治体の仮設住宅団地域へのヒアリング調査分析

摘要

東日本大震災及びその後の福島第一原発事故の影響で、福島県では現在も多くの人々が仮設住宅や借り上げ住宅などで県内外に分散して避難生活を送っている。一方で、自治体ベースで見た復興に向けては、アンケート調査結果等の分析等が各方面で行われているが、避難者個人や世帯に焦点を当て、その積み上げとして復興に向けての住環境の在り方を調査研究している事例は数少ない。そこで作者らは、上述の様な調査は仮設期から復興に向けての避難者の動向・意向の記録としても非常に重要な意味を持ち、また、今後のボトムアップ的な復興に向けての契機の一つに成り得ると考え、福島県内を対象とした避難者目線の調査を行うこととした。本研究では、その第一段階として避難者の世帯構成の変化に着目し、その実態から仮設住宅や今後の住環境の在り方を探ることを目的とする。