学校における事故と屋外気象条件との関係に関する研究（その1 2005/2008/2009 年の東京市部、名古屋市、大阪市小学校における考察）

摘要

建築計画の分野では小学校における事故の発生状況に関する研究がいくつか見られるが,屋外気象要素と事故発生との関連を調査したものはない。野村・八藤後は小学校における事故の原因は建築物の不備によるものもあるが,本人の不注意によるものも多く,児童の注意を喚起することが重要と述べている。本田らは日最高気温と死亡率との関係を人口動態統計死亡票及び気象データから調査し,日最高気温と死亡率との間にV字型関係があることを見出し, V時の谷を死亡率が最低となる至適気温とした。本研究では熱ストレスを感じない環境下で事故は少なくなり,その範囲を外れると運動能力の低下や注意力の低下などにより事故発生が上昇すると仮説を立て,それを学校における事故データと事故発生時の気象条件との関連から考察することを目的とする。