遺伝的アルゴリズムによる建築構造物のライフサイクルデザインに関する研究(その 10:設計内容と修繕シナリオの提案)

摘要

本稿の目的は遺伝的アルゴリズム（Genetic Algorithm,GA）を用いたLCD手法を通し，実物件とは計画されている建築物について設計内容と修繕シナリオの提案を行う。ある共同住宅をモデルとしてライフサイクル最適化問題の検討対象とする。モデル物件は地上13階の共同住宅であり，1階がエントランス階を部分的に持っており，地下1階を有する建築である。敷地面積4,750m~2，鉄筋コンクリート造(一部鉄骨造)，住戸数132戸，建築面積約2,150m~2，延床面積約12,260m~2，建物高さ約42mである。今回の解析では，各階で最適化をするのではなく，全ての階を一つの大部屋と見なしてモデル化を行っている。また，解析対象は専用部のみとし，一部の鉄骨部分や共用部分は解析対象外としている。