実施工現場におけるコンクリート，外気，環境温度その２ 冬期の結果

摘要

本報ではその１に引き続き，冬期の実施工現場における外気，上屋内，構造体，管理用試験体の温度データの収集・解析結果および管理用試験体を用いた圧縮強度測定結果と予測強度の検証結果について報告する。図１に冬期の温度測定結果の一例を示す。夏期と同様，スラブにコンクリートが打設された時点を起点とした。厳冬期であり，初期養生では加熱養生が実施され，スラブ表面および内部は10°C以上に保たれていた。初期養生後加熱を終了し，上屋の盛替えが実施され，急激に躯体温度が低下した。その後外気温に追従した変動があり，上階の打設時に躯体，上屋内部の温度上昇が認められた。上階打設のための加熱養生による影響と考えられる。その後，躯体温度は低下し，外気温の変動に追従した。これは一例であるが，上屋の盛替えによる躯体温度の低下や上階打設時の加熱養生による躯体温度や上屋内部の温度上昇は，他の実測でも認められていた。以下に，初期養生期間と継続養生期間に分けて寒中コンクリート工事における躯体および各部位の温度について検討する。