極厚•高強度鋼板を添板に使用した肌すきを有する高力ボルト摩擦接合部の評価方法その1 FEM解析による検討

摘要

高力ボルト摩擦接合部では母材と添板の間に肌すきが生じ，すべり耐力が低下する場合がある.既往の研究から，すべり耐カ低下は肌すき量のみで一義的に評価することは出来ず，締付方法•締付順序•添板厚•初期導入ボルト軸力•ボルト本数•はしあき量•1次締めトルク値が影響することが明らかになつている.各因子がすべり耐カ低下に与える影響について，定量的評価を行うことを目標に各研究は進められているが，既往の研究では添板厚22mm， SM490鋼までしか検討されておらず，近年開発•使用されている極厚板•高強度鋼を対象とした研究事例は無い.そこで本研究では，主に極厚板•高強度鋼を主対象とし，FEM解析•力学モデルによる耐カ計算を行うことで，肌すきを有する高力ボルト摩擦接合部のすべり耐力と影響因子の関係を定量的に評価することを目的とする.