間仕切壁の耐火性や開口パターンが構造部材への加熱強度に与える影響その３パラメータスタディ

摘要

本報では、その１で提案した解析モデルを用いて、間仕切壁の耐火性や開口パターンが構造部材への加熱強度に与える影響について、パラメータスタディを行った。解析概要を図1に、解析パラメータを表1に、その他の解析条件を表2に示す。解析パラメータは、開口因子、間仕切壁の崩壊時間、開口パターン、出火室の床面積(100～900m~2)の4つとした。開口パターン(3ケース)と開口因子(3ケース)をパラメータとした計9ケースについて、間仕切壁の崩壊時間と部材吸収総熱量の関係を図2に示す。図中の凡例の数字は、出火室の床面積(100m~2～900m~2)である。いずれの条件でも、部材吸収総熱量は間仕切壁の崩壊時間とほぼ線形の関係が見られ、出火室が鎮火する直前に間仕切壁が崩壊し隣接室に延焼する条件で、部材吸収総熱量が最大（一部、最小）となった。そのため、間仕切り壁を設置した場合の部材吸収総熱量の、間仕切壁がなく一室の場合(間仕切壁の崩壊時間が0の場合)に対する増分の最大値は、間仕切壁の崩壊時間に対する部材吸収総熱量の傾きと間仕切壁が崩壊しない場合の出火室の火災継続時間からおおよそ推定することができる。また、間仕切壁の崩壊時間が既知の場合についても、同様に傾きと崩壊時間から推定することができる。