耐火木造部材の耐火性能に関する研究その5 貫通孔を有する梁の載荷加熱実験

摘要

中高層木造耐火建築物実現のために、筆者らはカラマツ集成材を用いた「燃え止まり性能を有する木質構造部材」の開発を行ってきた。本報では梁部材と設備配管との取り合いを考慮し、貫通孔を有する梁の耐火性能を確認するために行った載荷加熱実験ついて報告する。試験体は図1に示すカラマツ集成材にモルタルを組み込hだ耐火木造部材である。梁断面はW370×H985㎜（荷重支持部W200×H900㎜）、支持点間距離は7500㎜とし、表1に示す材料を用い、表2に示す4仕様の貫通孔を計6か所設けた。図2に貫通孔部の梁断面図を示す。仕様A～Cは荷重支持部にモルタル管（t＝25）を設置し、熱発泡性塩ビパイプ（t＝7）で仕上げた。モルタル管小口への耐火補強は、A：モルタル管小口にプライマーを塗布し1成分型変成シリコーン系シーリング材（以下シール）を施工。B：シール無し、プライマー無し、C：シールのみ施工、プライマー無しとした。