フィールドにおける音源定位のための音声視覚化デバイス「カエルホタル」の設計

摘要

本稿では，音声視覚化デバイス「カエルホタル」による鳴き声の視覚情報へのモダリティ変換と，視覚情報に基づくフィールドでの音源定位手法についてを報告する.両生類のコミュニケーションに関する研究は古くから行われている[1].我々は二ホンアマガエルを対象とした鳴き声のコミュニケーションのモデル化を行ってきた[2,3].合原らは室内での音声データを対象としていたのに対して我々は，モデルのフィールドへの拡張に向けて，2008年5〜7月まで京大農学部の水田でァマガエルの鳴き声を20本のマイクで収録した.モデルの構築にはァマガエルの位置と鳴く時刻が必要とされるが,その情報の取得が困難であった.というのは，他の生物の鳴き声，近隣の水田のアマガエルの鳴き声などが収録音に混合してぉリ,20chの音源分離では対応できなかったからである.そこで，まずはァマガエルの定位を目指すことにした.