スぺクトルインバージョン結果に基づく中国地方の地般内地震のアスペリティモデルの構築（その1） 1997年山口県北部地震

摘要

断層モデルを用いた強質動予測において，短周期レべルAは，地震動の短周期成分を直接的に規定する重要なパラメータである。佐藤(2008)は，横ずれ断層が多い中国地方の地殻内地震のAをスぺクトルインバージョンによって推定し，横ずれ断層の地震モーメントM_0とAの関係が，逆断層や斜めずれ断層のM_0とA関係に比べて平均的に小さいことを示している。本研究では，短周期レベルAがアスペリティの半径とアスペリティの応力降下量Δσ_(asp)の積に比例することから，AだけでなくΔσ_(asp)についても断層タイプによる違いが見られるかを調べることとした。本稿(そのリでは，中国地方の横ずれ断層による地震のうち，1997年山口県北部地震(M_J6.6)を対象として，次稿(その2)では2000年鳥取県西部地震(M_J7.3)を対象として，ァスペリティモデルを構築しΔσ_(asp)の評価を行った。