宇宙環境における居住空間内の光触媒技術を用いた空気浄化システム

摘要

近年,多くの国々で月や火星への探査計画に関する挑戦が始まっている.例えば,アメリカ航空宇宙局(NASA)は2030 年代に人間を火星に送り探索し,地球まで安全に帰還するために必要な技術を開発し,実証することを目標とした計画を発表しており,実現に向けて現在低軌道上で実験するなど積極的に開発を行っている.この計画では,火星へ到達するための中継地として月と地球の間に居住地を作ることが考えられている1).このように,月や火星など低軌道を超えた有人探査において,天体における基地だけでなく天体までの人の輸送においても居住能力は必要不可欠なものである.つまり,重力や大気が地上と異なる状態にある人工的な閉鎖環境で人間が長期間生活できるシステムが必要である.