超低軌道環境における分子密度計測を目的とした 衛星搭載用圧力計測デバイス

摘要

打ち上げにかかる費用の削減や画像分解能の向上といった面から，高度300 km以下の超低地球軌道(sub-LEO)を用いた衛星の運用に注目が集まつている.低高度での衛星運用のためには，大気抵抗を予測し，それを補償することが必要となる.現在，大気抵抗の補償システムとして化学推進と比べて比推力の高い電気推進が利用されている.大気抵抗を推定するためにNRLMSISE-00大気モデルなどの経験的なモデルが用いられているが，sub-LEOについてはその精度が高くないことが知られている.これは，低軌道での観測データが少ないことが原因として考えられる.また，太陽活動や地磁気の影響によって急激な密度変動が生じるため，大気抵抗を正確に予測するためには直接大気密度を測定する装置が必要である.