梵鐘の音響特性に及ぼす形状の影響

摘要

梵鐘は中国より6 世紀に韓国を経て渡来し，独自の様式を作り出している。梵鐘の音の特徴である部分音の構成，うなりおよび減衰時間は形状に依存するとされ，特に梵鐘の口径と駒の爪の厚さと密接な関係があるとされる。また，装飾的な部位である乳なども音響特性に影響を与えるとされている。これら梵鐘に対する音響学的な研究は，実物の形状および音響測定結果からの考察，また，有限要素法を用いた音響解析などが多くみられ，目的形状の試験体を用いた実験などはあまり見られない。