音響キャビテーションによるヒドロキシラジカルの生成に及ぼす界面活性剤の添加効果:界面活性剤の界面化学的特性との相関

摘要

昨今、癌の超音波力学療法（SDT）が注目されている。SDT は、ポルフィリン系化合物を癌細胞に選択的に取り込ませ、超音波を照射することによって生成する活性酸素種を用いて癌細胞を選択的に壊死させる治療法である。現在、その機序は正確には明らかでないが、音響キャビテーションによるヒドロキシラジカル（･OH）生成や、その圧壊によって生じるソノルミネッセンスによるポルフィリン系化合物の光増感作用が寄与していると考えられている。本研究では、共存物質とキャビテーション生成との相関を明らかにすることを目的に、音響キャビテーションによる･OH の生成に及ぼす界面活性剤の添加効果について検討した。