マイクロホンアレイを用いたサウンドマスキングシステムの検討:音声入力において指向性を利用したマスキング音レベル低減の試み

摘要

薬局や病院の待合室，学校の保健室，銀行の窓口などコミュニケーションが不可欠な場面におけるプライベートな内容に対し，プライバシーや機密内容を保護する取り組み，スピーチプライバシーに関する研究が50 年以上前から欧米で行われている．こうした取り組みの中でマスキング音を周囲に流すことで，漏れてくる会話内容を聞き取りにくくする技術はサウンドマスキングと呼ばれる．しかし，サウンドマスキングの問題としてマスキング音による第三者への会話の妨げや不快感の増加があげられる．そのため，ターゲット音に対しマスキング音は必要以上の音量を流さないことが好ましい．