nc-AFM/STM 用音叉型水晶振動子力センサーのための金属探針の作製と評価

摘要

非接触原子間力顕微鏡(nc-AFM)による探針−試料間に働く力の検出と同時に、そこに流れる電流を検出することは、表面ナノ物性を調べるうえで重要である。2000 年に、音叉型水晶振動子の片方のプロングを固定し、もう一方のプロングにタングステン(W)探針を形成したqPlus センサーが開発され、力と電流の同時測定への応用も拡がっている。我々は、音叉形状の優れた共振特性を活かすために、探針を形成した片方のプロングの荷重バランスを再調整した共振再調整力センサー（RTF 力センサー）を開発した。RTF 力センサーは高いQ 値を持ち、保存力、散逸エネルギーに対して高感度である。これまで、STM 用のW 探針は電解研磨により作製されてきたが、近年、W 線が高温の炎の中でエッチングされ先鋭化されることが示された[3]。本研究では、炎エッチングによるW探針の作製条件を検討し、得られたW探針を用いてRTF センサーを作製した。