非相反的スピン流生成機構を用いたパラメトリックマグノンの高効率励起

摘要

近年、スピン波を活用して情報輸送や論理演算を行うマグノニックデバイスが数多く提案されており、その実用化に向けてスピン波を長距離伝搬させることが求められている。その手法としてパラレルポンピング(PP)を用いたスピン波増幅の機構が注目されている。PP とはFig.1(a)に示すように、周波数fac のマイクロ波(フォトン)がfac/2 の２つのマグノンに散乱される非線形散乱過程であり、PP 励起に必要な交流磁場強度はダンピング定数αに依存する。αはスピン流注入により低減できることが知られているが、従来の相反的なスピン流生成法を用いた系ではスピンポンピング効果によるαの増大効果が、スピン流注入による低減効果を相殺する問題があった。