カルロ・スカルパの建築空間における接合と分離の手法に関する研究

摘要

昨今の建築設計分野において、既存建築の活用は避けて通れないものとなっている。しかし、実際に改修を行う場合、既存建築の大半を解体し、新しい壁や床を新設するといった新築同様の改修や耐震を主とする構造的な問題から、無骨な柱や梁が新たに設置され、空間的な質が損なわれる場合も少なくない。本研究では建築に対する可能な限り小規模な改変が建築空間に及ぼす影響を捕捉することを目的とし、既存建築の改修における新たな設計理論を創造するための一助とすることが本研究の意義である。