学校的側面からみた旧奈良少年刑務所における建築の価値に関する研究既存資料による旧奈良少年刑務所の分析（その１）

摘要

以上より、発足当初から蓄積されてきた活動等、旧奈良少年刑務所について着目すべき内容はその空間にとどまらないことが分かった。一方、旧奈良監獄で着目すべきはその建造物であり、監獄としての歴史は少年刑務所としての歴史より短かったことが分かった。図3 ではある種空間と活動が1 対1 対応していた一方、旧奈良少年刑務所は元々監獄として作られた空間に対して少年刑務所の「学校的部分」が展開されていたという、空間とプログラムのねじれが生じている特色が読み取れた（図4）。