副業や趣味活動に開かれた場としてのレンタルスペースの空間構造と社会的役割

摘要

本研究で明らかになったことを以下にまとめる。1) 東京圏におけるRS の空間構造　本稿の対象物件から抽出した情報より、R S ショップに掲載されている東京圏におけるR S の性能を網羅的に明らかにした。次にそれらの推奨用途、既存用途ごとに分布傾向を把握し、計8 種の地域がR S の集積する特徴的な地域として得られた。2) RS の社会的役割　仕事( 個人) 系と発表系を推奨用途とするR S を扱う店舗のオーナーへのヒアリング調査から、 R S の発生理由、運営の工夫が明らかになった。そして、店舗が支援, 貢献の場や、偶発的出会いや新たな交流を発生する場としての役割を果たしていることを明らかにした。そして、ヒアリング調査及びアンケート調査の結果から、R S の利用実態と利用者にとって、短期的な仕事の目的に適う場、実空間での趣味の発表の場、余暇活動から派生した仕事への挑戦の場、自由な自己の世界観の実現の場、精神的な回復の場の5 つの価値があることを明らかにした。