日本住宅公団におけるスターハウスの建設状況と現状

摘要

本研究は公団住宅や公営住宅で昭和30 年代を中心に建設されたスターハウス(ポイントハウスの１種)の日本住宅公団における建設状況と現状を明らかにするものである。さらにスターハウスが大阪支所の金岡団地で初めて採用されてから名古屋支所の名和団地で最後に建設されるまでの10 年間である1955～64 年を対象に公団が建設したスターハウスという住棟形式の変遷を明らかにすることを目的としている。まず、『日本住宅公団10 年史』をもとに公団初期10 年(1955～64 年)に建設された団地をリストアップした。そのすべてについて国土地理院の空中写真(1950〜70 年代撮影)を使い、スターハウスの建設の有無と棟数を調査した。続いて『日本住宅公団10 年史』掲載の標準設計図面とUR 都市機構所蔵の図面から各団地で用いられた住棟の型を明らかにし、スターハウスの型の変遷を考察した。さらに国土地理院のホームページから入手できる現在の地形図を用いてスターハウスの配置計画と敷地の関係を考察した。住棟の現状については、UR の管理するデータおよび現在の空中写真から確認した。