都市農地の立地と形態に着目した市街地との共存可能な空間構成の実態解明: 世田谷区烏山地域を対象として

摘要

以下に明らかになった事項を示す。① 1955年（2期）以降、市街化に伴い特に耕地基盤上から農地の細分化、消滅が進行した。② 農地の市街地近接性が高まっている一方で、農地の集塊度や市街地に対する面積比には地域内で差が生じていた。③ 農地の中規模化、街路の拡幅が進行し、緩衝空間としての街路の機能が都市農業を営む上で重要視されるようになった。以上より、都市農地の市街地近接性の向上や、中規模化、市街地との間の緩衝空間の形成といった空間操作が結果的に市街地と都市農地の共存に寄与することで、今日の烏山地域における住空間が構成されていると考えた。