慣性質量装置を用いた浮き床による床上加振反力低減機構その3 構成要素の特性分析

摘要

本報では、浮き床機構を構成する各装置特性から浮き床機構の応答を評価可能であることを確認した。本試験体においては、皿ばねユニットの剛性が加振振動数に依存して変動する特性を示したため、それを考慮することで実験結果の反力応答倍率を精度良く評価することができた。減衰については、皿ばねユニットおよび慣性質量装置とも減衰を有し、振動数による変動が見られたが、遮断振動数近傍の減衰定数を用いることで実験結果と良い対応を示すことを確認した。本報その2 およびその3の結果より、その1 で示した反力低減機構が皿ばねユニットと慣性質量装置によって実現可能であり、比較的主系振動数に近い振動数の加振に対しても効果的に反力を低減することが可能であることを示した。ただし、浮き床機構全体の性能をより設定しやすくするためには、ばね要素、および慣性質量要素ともできるだけ履歴を持たない線形特性とし、減衰はオイルダンパー等により直接粘性減衰として与える方が扱いやすい。そのためには、構成要素の特性改善が重要となる。