CFRP 軽量高精度リフレクタ実験試料のサブミリ波帯 反射特性の測定

摘要

深宇宙探査における問題点の一つとして軽量化がある. そこで用いられる材料としてCFRP（炭素繊維複合材）1)が挙げられる. CFRPは軽量かつ強度が高く,低い線膨張係数という観点でアンテナ材料として魅力的である.しかしながらCFRP を衛星搭載用のアンテナ材料として用いた例は, EarthCARE のCPR 2)が94 GHz帯で最高周波数となり, それ以上の短波長の用途は地上研究レベルである. またCFRP 製のアンテナを持つ現在運用中のAMSR2 (89 GHz 帯) 3)は, アンテナの劣化に伴う問題が懸念されていると聞く. これは,宇宙では温度サイクルや放射線, 紫外線, 原子状酸素などのストレスが長期間に亘り加わることで樹脂が劣化するためであり, そのため劣化の傾向を把握することが重要になる.