犬の散歩ルート探索のための「回避点」「寄り道地点」を考慮に入れた経由点の決定手法

摘要

犬の性格や健康に合わせた散歩ルートを作成するのは手間がかかる．例えば犬の認知症を予防するために毎回違う散歩ルートを通ると効果的であると言われていたり，一般的に良いとされる散歩ルートでも性格によってはストレスを感じたりすることがある．散歩ルート決定の指針に関しては，犬の足に悪い道は避けること，犬の性格によっては人通りの多い場所を避けること，公園や休憩の取れる場所を通ると望ましいことなど、様々な注意点が挙げられているが，著者らは特に，特定の場所を避けつつ経路計画をすることを重要視した．例えば犬の世話に関する書籍では，人にとっては何気ない場所であっても，犬には負担がかかる場所があることについて言及されており，また著者らが独自に行ったアンケートにおいても，「大通りを避けている」「他の犬と出会わないようにしている」「草の多い場所は避けている」といった特定の場所を避けることの重要性が示されている