マルチベンダ開発に向けた電子文書の流通管理手法の提案

摘要

本稿では、文書の流通を管理するために管理要件の分析を行い、流通性、機密性、記録性、一貫性の4 つのセキュリティ要件を定義した。ブロックチェーンを用いることで改ざhされにくい履歴機能を実現し、ハッシュ変換により文書の同一性を確保することができるため、記録性と一貫性は解決できる。流通性と機密性の解決には通貨規格をベースとした関連閲覧権を提案した。また、それらの機能を確認するための試作システムの構成についても述べた。今後の課題として、本稿の提案では電子文書を閲覧権で保持しているが、データサイズが肥大化することが懸念されるため電子文書の保存方式に関して検討を進めていく必要がある。