農業IoT 無線センサネットワークを対象とする故障検知アルゴリズムの検討

摘要

近年，農地に無線通信機能を搭載したセンサ端末を配置し，地形や温度等の変化に関する情報を交換するセンサアドホックネットワークの利用が想定されている．ネットワークを柔軟に構築可能なため，センサ間情報共有を用いた観測情報の相互補完により，高精度の観測と，迅速な広域状況の把握を継続的に実行できる[1]．しかし，農地では，生産性の向上と高品質な栽培が求められているため，センサ端末の故障の発生は，センサ間情報共有に悪影響を与え，生産効率の低下だけでなく，信頼性を下げることに繋がりかねない．そのため信頼性を確保したセンサネットワーク運用では，センサ端末の動作状態の継続的な監視，故障前に端末を交換するための故障検知が重要となる．故障発生前のセンサ端末の故障検知は，故障を判断する方法として，動作傾向の把握と，最適な検知方式の設計が必要である．