ドップラーセンサを用いた心拍推定時の適応ガードセル長を適用したCA-CFAR による体動起因雑音低減

摘要

近年，非接触で心拍を検出できるドップラーセンサを用いた手法が注目されている．ドップラーセンサは送信機から連続波を送信し，被験者の胸壁によって反射された信号を受信したとき，拍動によって動く胸壁の動きをドップラー効果による周波数変化によって検出できる．[1] では受信信号に対し，心拍に相当する周波数帯に含まれるパワーを算出し，そのパワーのピーク間隔を心拍間隔として推定している．この手法は，気温や光などの環境変化に左右されず，低コストでプライバシ性が高く，呼吸などの雑音を除去できる．しかし心拍信号と同じ周波数の体動が生じた場合，体動が心拍と誤検出されてしまい推定精度が低下してしまう．本稿では，心拍信号検出時の体動の影響を低減するために， CA-CFAR（CellAverage-Constant False Alarm Rate）を得られた信号に適用し，心拍間隔の推定精度を向上する手法を提案する．