スマートフォン嗜癖の実態把握ならびに検知に関する検討

摘要

近年，スマートフォン(スマホ) はゲーム，動画，SNS等といった通話以外の利用の幅が増えている．また，新型コロナウイルス感染症でのオンライン授業等の影響により，スマホが社会を支える基盤としてより重要な存在となりつつある．一方，スマホ利用が長時間化することで，日常生活に悪影響を与えてまでスマホを利用してしまうスマホ嗜癖も顕在化し始めている．本問題に対し，筆者らはA. スマホ嗜癖の実態解明：日本国内におけるスマホ嗜癖の状況の把握，B. スマホ嗜癖の検知：行動からスマホ嗜癖を推定する方式の検討，C. スマホ嗜癖の改善・予防：脳に働きかける心理的なアプローチを利用したDecoded Neurofeedback(DecNef)[1] の活用を検討している．本稿ではA. スマホ嗜癖の実態把握とB. スマホ嗜癖の検知を目的に52,737 名の被験者を対象とした質問紙調査，質問紙調査結果から選定した40 名の被験者を対象とした3 カ月間の行動実験を実施し，スマホ嗜癖と関連する行動について分析した．