航空機への摩擦攪拌接合適用に関する技術開発

摘要

近年の航空機製造においては、従来の品質を維持しつつ、高レート/低コスト製造、軽量化が求められている。このようなニーズに対応するために、川崎重工業ではアルミ航空機構造に対して、従来のファスニングに代表される機械的締結の代替として、摩擦攪拌接合技術の適用に向けた技術開発を行っている。摩擦攪拌接合とは回転するツールを材料に接触させることで生じる摩擦熱を利用して、融点以下の温度まで材料を加熱、軟化させ、材料を攪拌することにより二つの材料を接合する手法である。摩擦攪拌接合技術には、材料を連続的に線接合する摩擦攪拌接合（Friction Stir Welding以下FSW）と点接合する摩擦攪拌点接合（FrictionSpot Joining 以下FSJ）がある。摩擦攪拌接合技術を航空機構造へ適用することによって、従来のファスニングに必要な穴あけ、バリ取り、リベット打ち等の複数の工程が不要となる。それに加えて、ロボット等による自動化により低コスト、高レート製造を進めることが可能となる。