フライアッシュと亜硝酸リチウムを用いた断面修復材によるASR 劣化コンクリートの補修効果

摘要

海洋環境下や凍結防止剤の散布環境下にあるRC 構造物は塩害とASR の複合劣化が起こる可能性がある．この劣化現象に対応できる断面修復材として，亜硝酸リチウム（以下LiNO_2 と示す）とフライアッシュ（以下FA と示す）を混和した断面修復材の効果が検討されている．LiNO_2 はNO_2-による鉄筋防食効果とLi~+によるASR 劣化コンクリートの膨張抑制効果，FA は母材コンクリートとの電気的不連続性を緩和することによるマクロセル腐食抑制効果が期待される．この断面修復材を用いた既往の研究では，LiNO_2 とFA を併用することで，鉄筋腐食抑制効果，膨張抑制効果が得られている．本研究では，LiNO_2 の添加量増加，および，補修材の打継深さを変えた場合の補修効果を明らかにすることを目的として実験的検討を実施した．