軌道に近接したニューマチックケーソン基礎施工における影響遮断壁の有用性

摘要

北陸新幹線の金沢・敦賀間は2022 年度末の開業に向け、(独)鉄道建設・運輸施設整備支援機構により工事が進められている。このうち、新幹線本線の終端となるニューマチックケーソン基礎を有する橋脚は北陸本線に近接していることから、当社が委託を受けて施工を行っている。ケーソン基礎の施工では、基礎沈下時に周辺土砂を巻き込み、周辺地盤の変形が生じるとされている1)。当社での同種工事の実績では、ケーソン基礎と線路の間に鋼矢板による影響遮断壁を設置する対策により軌道変状に対する効果を確認している2)。しかし、軌道変状対策としての影響遮断壁の定量的な指標は整理されておらず、経験に基づいて遮断壁を設計しているのが実情である。