日比谷線仲御徒町駅EV 工事における営業線直下の掘削方法

摘要

東京地下鉄株式会社では，お客様サービスの向上およびバリアフリー新法に基づく段差解消整備のため，エレベーター設置工事を行っている．未設置駅の一つである日比谷線仲御徒町駅では，既存の駅躯体を改良し，ホーム階から新設改札階までのエレベーターと，新たに取得した用地の新設ビル内に新設改札階から地上階までのエレベーターを整備するとともに，これらを連絡する地下通路を新設する（図－１）．工事箇所の地質条件は，平均Ｎ値50 以上の締まった砂層地盤であるものの，均等係数1.69 と崩壊性が高く，被圧水調査から0.06 3MPa の高被圧水を確認した．そのため，地層の地盤強化と止水性向上を目的として，駅構内から高圧噴射攪拌工法による地盤改良を行い，その締め切り内側を導坑掘削することとした．本稿は，エレベーター設置および連絡通路設置に伴う，営業線直下の掘削工事における既設躯体への影響を最小限に抑えた施工計画および施工結果について報告する．