防災・減災の強化に向けた更なる耐震補強報告（その３）: 急傾斜地に施工された鋼逆ローゼ橋の耐震補強対策

摘要

鋼アーチ橋の橋軸方向の耐震補強は，桁端部に制震ダンパー，斜材方向に座屈拘束ブレースを設置し，直角方向は横構や対傾構を座屈拘束ブレースに取り替えている事例が多い．本橋も基本的な補強は従来と同様であるが，主部材である中間支柱上下端の補強が回避できなくて取替が必要となった．塑性化の度合いによってはそれを許容する設計も考えられるが，その場合，塑性化後の全体挙動を把握して必要な耐震性能が満足できる限界のひずみレベルを設定し，補強設計に反映させる必要がある．