気候変動が日本の大気汚染にもたらす影響とその健康・植生へのインパクト評価

摘要

近年の日本では、中国の経済発展等に起因する越境大気汚染が大きな環境問題となってきたが、その中国では、第12 次、第13 次五か年計画における大気汚染対策が奏功し、今では主要都市におけるPM_(2.5) 濃度が減少に転じ、日本においてもその影響とみられるPM_(2.5) 濃度の減少傾向が福岡をはじめとした各地で観測されるようになった（鵜野ら 2017）。こうした状況下、今後は越境大気汚染に加えてそれ以外の大気汚染変動要因に関する研究、とりわけ、深刻化する地球温暖化などの気候変動による日本の大気汚染への影響に関する研究が重要性を増してくると考えられる。