4 種の黄砂付着子囊菌類と加熱黄砂曝露による肺アレルギー増悪作用の比較

摘要

黄砂は、アレルギー性呼吸器疾患の増悪に関与していることが指摘されている。当研究室では、黄砂に付着している微生物、なかでも真菌が強い増悪作用を有していることをこれまでに報告してきた。昨年の当大会では、Bjercandela adusta、Lecythophora sp.、Cladosporium cladosporioides、Phialocephala sphaeroides、Coniothyrium fuckelii を砂の粒子成分とともに気管内投与すると、いずれもアレルギー性気道炎症が増悪し、中でもConiothyrium が最も強い増悪作用を有することを示した。本年度は新たに、日本に飛来してきた黄砂から分離した真菌、Aspergillus niger の近縁種、Alternaria alternaria、Myriangium duriaei 及び、昨年最も強い増悪作用を示したConiothyrium fuckelii を加えた計4 種（いずれも子囊菌類）について、真菌単独曝露と比較し増悪が見られるか、またいずれの真菌が最も強いアレルギー増悪をもたらすか、比較検討した。なお、これらは前演題で、アレルギー誘発能が認められたと報告した真菌と同一種である。