CFDによる極超音速統合制御実験機の空力特性評価の研究

摘要

将来の航空輸送手段として，太平洋を横断する時間を5分の1に短縮する極超音速旅客機が構想され，その実現に向けた研究が進められている.JAXAは，実飛行環境下における極超音速ラムジェットェンジンの作動試験と機体の姿勢制御を実証するために，複数の大学との共同研究として，マッハ数5で飛行する小型の極超音速統合制御実験機（High-Mach Integrated Control Experimental Aircraft, HIMICO)を開発している.HIMICOは，極超音速民間輸送の実現に向けた3段階の実証実験計画の初段階と位置付けられる.最新のHIMICOの計画は，2回の飛行実験に分けられている.初回のHIMICO-#1は，更に小型の機体を用い，エンジン試験を行わずに実験機の引き起こし制御やデータ通信の確認を行う。そして，エンジン試験を主目的とするHIMICO-#2では，推力を30秒程度維持し，水平飛行を目指す.