超小型深宇宙探査に向けた小型推進システムの展開と今後

摘要

現在，小型衛星の実利用が急速に拡大するなか，多くの小型衛星（10 – 100 kg）が推進系の搭載をはじめている．これまで小型衛星の主戦場は地球低軌道であったが，PROCYON やMarCO など今後は深宇宙探査への適用も大いに期待されている．そして，深宇宙こそ推進系が必要となるシーンが多い．ただし，一言で推進系と述べても，そこに要求される能力は様々である．大きく分けるならば多軸制御，高比推力，高推力と３つの分類がある．多軸制御には特段に小型・軽量なスラスタが，高比推力には電気推進が，大推力には化学推進が適している．現在，多くの機関・大学推進系の研究が行われているが，これらの広範にわたる推進系をカバーしている例は少ない．