月・惑星探査用飛翔型ロボットにおける緩衝機構の検討

摘要

科学探査は，将来的な利用も視野に，より詳細で多様なデータを取得することが求められる時代に入っており，月・惑星へ着陸して行う表面探査においても様々な場所での調査が要求される．表面探査において一般的な方法は，着陸地点を事前に入念に選択し，可能な限りその地点にピンポイントで着陸し，車輪移動等によってその周囲数ｍ～数㎞程度を調査する方法である．このような方法は，地球から月・惑星間への移動に膨大なエネルギーとコストを払うものの，調査対象範囲は比較的狭いと言わざるを得ず，また，車輪移動によって到達不可能な谷や崖を有する領域の調査は困難である．そのため，一度の探査機打ち上げで，広範かつ起伏に富hだ地形を調査する移動手段が望まれる．