ERGサイエンスセンターのシステム概要

摘要

地球近傍の宇宙空間、いわゆるジオスペースでは、太陽から吹き付ける太陽風と地球固有の磁場が相互作用することで、様々な粒子加速・輸送およびプラズマ波動現象が起こっている。そのような物理過程を通じて、相対論的エネルギーを持つ粒子が閉じ込められている放射線帯が、宇宙嵐に伴って激しく変動することが知られている。The Exploration of energization and Radiation in Geospace (ERG)プロジェクト [Miyoshi et al., 2018a]は、衛星-地上観測-シミュレーション・モデリングを組み合わせることで、放射線帯変動に代表される宇宙嵐のダイナミクスを解明することを目的としている。2016年12月にERG衛星(別名: あらせ)が無事軌道投入されて予定通りにジオスペースでの観測を開始したことで、ERGプロジェクトは本格的に科学観測および研究を実施する段階に至った。