大型藻類Ulva meridionalisによるウルバン蓄積に対する栄養塩濃度の影響評価

摘要

ァォサ藻類の一種ミナミァォノリ(Ulva meridionalis)は、 増殖速度が高いことに加えて、多糖ウルバンを約20%と 高い含有率で蓄積する。ウルバンはグルクロン酸と硫酸 化ラムノースから構成される多糖であり、化学変換により 高付加価値化が可能である。筆者らは、施設園芸養液栽 培排液によるU. meridionalisの培養を行うことにより、栄 養塩回収と有価物創出を同時に実現する技術開発を目 指した研究を行っている。しかしながら、ウルバン蓄積機 構は明らかになっておらず、その機構解明が求められて いる。ウルバンは炭素、水素、酸素、硫黄の4元素から形 成されるものの、ウルバン前駆物質にはリンや窒素が含ま れることから、ウルバンの生合成において栄養塩濃度は 重要な因子と考えられる。本研究では、U. meridionalisに よるウルバン蓄積に対するPO_4-P濃度の影響を評価した。